「不適切保育」が起きてしまう根本原因と解決法

こんにちは。今日のテーマは「不適切保育」について取り上げます。

今、盛んに「不適切保育」のニュースが流れていますが、そもそも「不適切保育」とは何なのか、そしてその原因と対策はどのようなものか、考えていきたいと思います。

まず、「不適切保育」とは何か?を説明します。
「不適切保育」とは、保育所での保育士による子どもへの関わりについて、保育所保育指針に示す子どもの人権・人格の尊重の観点に照らし、改善を要すると判断される行為のことを言います。

保育所で行われる保育は「保育所保育指針(厚生労働省)」と呼ばれる指針に基づいて行われています。その内容には、「子ども一人ひとりの最善の利益」のために行われなければならないとされており、それに反して、子どもの「人権」や「人格」を損なうような保育は、「不適切である」となります。

「不適切保育」は、虐待や暴行だけでなく、子どもの感情や意思を無視したり、脅迫的な言葉がけをしたりすることも含まれます。
先日の三重県の認定こども園で起きた「不適切保育」では、保護者によって録音された園内の音声が公開されました。
その内容は、一保育者が、特定の子供に対して「おしっこ漏らした!恥ずかしい〜」という心ない言葉がけや、食事の強要などで、泣いている子どもへ寄り添った保育がされていませんでした。

このような保育は当然あってはならないですし、二度と起きないようにしないといけません。

では、どうしたら、このような保育をなくすことができるのでしょうか。
その根本原因と解決策を探ります。

まず、「不適切保育」が起きる背景としてよく議論に上がるのが、
①保育士の子どもの人権に関する理解が不足していること
②保育士が余裕を持って保育に望めない環境がある
の2つです。

①の「子どもの人権に関する理解」は当然とても大切なことです。
まずもって、「子ども」だからといって馬鹿にしてはいけません。こんな当たり前のことが分かっていない大人が数多くいます。子どもであっても、一人の人格を持った個人として尊重させるべき存在であるという認識を持つ必要があります。しかし、これが難しいのです。これは保育園に限らず、「教える側」・「教わる側」という対極構造の教育界では、相手(子ども)を馬鹿にするということが起こりやすいからです。そのため、子どもを「尊重する」・「敬う」という感情を、意識的に持つ必要があります。

また、②に挙げたように、保育士が余裕を持って保育に望めない環境があることも事実です。
近年は、保育士不足から、どの施設もギリギリの保育体制で保育しているのが現状です。命を預かっているプレッシャーも掛かっています。サービス残業や持ち帰り業務も、まだまだ多いです。
保育士だって「人」です。感情があります。どんなに温厚な人にだって、イライラする時や、カッとなって怒りたくなる時だってあります。特に、心に余裕がない時はそういったネガティブな感情になりやすいです。
そんな時に、つい不適切な言動が出てきやすくなります。
しかし、だからと言って、不適切な「言葉掛け」や「行動」をしていい理由にはならないのです。原因の一つになりうるかもしれませんが、この一線を越えるか超えないか。日々、保育者は試されているのです。
一番怖いのは、話のすり替えです。つまり、「不適切保育が起きるのは、保育制度が不十分だからだ」と安易に話をすり替えてはいけません。これはそれとこれとは別の話の中で議論を進めないといけません。例えば、「貧困」は犯罪の要因の一つになるかもしれませんが、だからと言って、犯罪をしていい理由にはなりません。それと同じことです。

ただ、強調しておきたいのは、誰だって一線を超えてしまう可能性があるということです。世の中に「いじめ」が無くならないのと同じです。人の心とはそういうものです。だからこそ、「人を幸せにする教育・保育とは何か?」を学び続け、「善性」で心を満たし続けなければいけないのです。

今日も日本のどこかで「不適切保育」が行われています。
このままでは、子どもや保護者、そして保育者自身が不幸です。

不適切な保育は、子どもや保護者の心身に深刻な影響を与えます。
保育園に行きたくないと、体に「じんましん」が出る子ども。そんな状況を知り怒りで夜の眠れない保護者。
とてもウェルビーイングが低く、不幸な状態です。
毎日の生活で、そのような状態になることは本当に辛いことです。

不適切な保育を未然に防ぐために、保育施設や市区町村、都道府県が一体となって対策を講じることが必要です。
その具体策には、
①保育者への研修や指導
②保育施設の実態把握や監査
③虐待事案の通報や公表など が挙げられます。

しかし、そのような対策も、中途半端では付け焼き刃程度にしかなりません。
「不適切保育」が無い世の中を築く方法、それは、保育者自身が、一人の人として、「人格を磨く」ほかありません。それは親切や寛容などの「人間性」だったり、公平・公正・リーダーシップなどの「正義」だったりします。または誠実性や信頼性、正直であるといった「勇気」だったりもします。
これらは、ポジティブ心理学において、「美徳(哲学者や宗教指導者が強調している主要な普遍的特性)」と呼ばれており、6カテゴリー24種類あります。いわゆる「道徳的に価値がある」ものです。そして、これらを「強み」と表現しています。(VIA=Values in Action)
日本ウェルビーイング教育・保育協会では、保育者が「ポジティブ心理学」や「幸福学」を学び、個人の「強み」を自覚し、磨き、実践することが、子ども・保護者・保育者を幸せ(ウェルビーイング)に導くために最も有効的だと考えています。
ポジティブ心理学や幸福学は、「人はどのようにして幸せになるのか」を、エビデンス(根拠)に基づいて科学的に解明していく学問です。それらの学問を理論的に取り入れた保育メソッドが「ウェルビーイング保育®︎」です。

ウェルビーイン保育を学び続ける中で、少しずつ保育者自身の心がウェルビーイングへと変化し、ネガティブな心理状況になるラインを引き上げることができるようになります。
つまり、子どもや保護者、そして自分自身が幸せ(ウェルビーイング)になるための「ノウハウ」や「マインドセット(考え方)」を保育者一人ひとりが学び、その情熱をもって保育にあたることが、不適切保育への一番の対処法になるということです。

宣伝にはなりますが、ウェルビーイング保育を学ぶために、当協会の研修・セミナーやウェルビーイング保育®️実践ファシリテーター資格講座の受講をお勧めしています。
また、保育士等キャリアアップ研修を主催し、ウェルビーイング保育の精神性を根底に置いた講義を行なっています。
皆が不幸になってしまう「不適切保育」を無くすためにも、是非、当協会の研修・資格講座をご受講ください。


今回のコラムはこれで以上となります。
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それではまた、次回のコラムでお会いしましょう!

Good luck everyday🍀

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